記憶に残った本など・リスト50



★幼少期

1・ 『王子と乞食』   マーク・トウェイン
はじめて買ってもらった(ということを意識した)絵本。
きりのみやこロンドンではきょうもウエストミンスターじいんのかねがなりひびいています。
という出だしのフレーズを暗記して、神童か?(あはは)と親たちを驚かせた。
今回はじめて作者がマーク・トウェインと知り、ちょっと驚き。

2・ 漫画 『ブロンディ』
アメリカの一般的家庭を描いた漫画だが、戦後の貧しい日本との、あまりに大きな落差に現実感がなかったほど。
夫のダグウッドが夜中に帰ってきて冷蔵庫(大きい!)にあるものをはさんでつくったサンドイッチが、そりゃもう!


★小学校低学年

3・ 『巨人の庭』
4・ 『幸福な王子』 
  どちらもオスカー・ワイルド。
幼稚園のときはお姫様の絵ばかり描いていたから、とうぜんお姫様ものも読んだのだろうが、この2作がお気に入りだった。
幼くして、人間の虚栄とか真贋に目覚めていた・・・と言うことにしよう。


5・ 『水の子』  キングスレー
キリスト教的教訓が流れていたらしいが、そんなことより、水中での描写が子ども心に不思議で魅力的だった。


6・ 『赤い蝋燭と人魚』  小川未明
なんだかとっても淋しくて悲しかった。人間の、どうしようもない悲しさと恐ろしさを知った本。


7・ 『エスキモーの子ども』  たしかこういうタイトル。
2年生のクリスマスプレゼントがこれだった。立方体に切った氷を積んだ家の中は暖かい、というのが印象に残った。


8・ 「・・・・」  タイトル不明。たぶん、獅子文六。
3年生のとき読んだ、家族の中で疎外感を抱いている少年の話。家出をして山道を歩いていると、遠く町があるあたりの空がぼーっと赤い、
というシーンが印象に。これを読んだ部屋の空気まで覚えている。


9・ ラジオ「ヤン坊ニン坊トン坊」  飯沢匡 作 黒柳徹子ら出演
テレビがない時代。ラジオからはニュースや「尋ね人の時間」、ドラマ「君の名は」「紅孔雀」などが流れていた。
わたしの世代だと「赤胴鈴の助」(吉永小百合)をあげる人が多いが、なぜか記憶にない。


10・ 「講談全集」 
隣りに住む叔父の家には、上記の「ブロンディ」とか「講談全集」とか、魅力的な本がいっぱいあった。
岩見重太郎。猿飛佐助。真田十勇士。一心太助。。。などの名調子をワクワクしながら読んだ。
挿絵も覚えているから、子ども向けだったのだろうか? かなりの冊数だったが。

11・ 「なかよし」「リボン」「少年クラブ」など 
うちでは定期購読してくれなかったから、友達の家で読んだ。「リボンの騎士」がお気に入りだったなあ。

3年生・4年生のころ。叔父の家、友人の家、知り合いの家・・・本のある家に行っては、
「こんにちは」と勝手に上がりこみ、勝手に本を読んで 「さよなら」と帰っていった。変わった子だった。
・・・と思っていたら、うちの子どもがやはり小学3年生のころ、やらかしていた。 恐るべしDNA



★小学校高学年

12・ 「それいゆ」「ジュニアそれいゆ」  中原淳一
姉がうっとり見つめていた雑誌。異様に目の大きい、バタ臭い顔のファッション画が流行っていた。
このあいだ、テレビで中原淳一をとりあげていて、ちょっと懐かしかった。


13・ 『若い人』  石坂洋次郎
家にあった昭和文学全集から、適当に抜き出しては、読めそうなものを読んでいた。
石坂洋次郎は子どもにも読みやすかったので、たくさん読んだ。
ちょっとアブナイ女子高生と教師の関係にドキドキ

14・ 『河童』   芥川龍之介
芥川は短編なので小学生にも読めた。どれも面白かったが、「河童」の絶望感・虚無感のようなものが妙に心に残っている。

15・ 『大地』4部作 パール・バック
王龍は窓から手をのばした。雨だ。瑞兆だ、とつぶやいた。・・という冒頭の「瑞兆」という語に文学性を感じた。
初めて、歯ごたえのある大人の本を読破した達成感も味わった6年生。
後年、別の訳の本を見て、訳によってまるきり違うものになるということを知った。



★中学時代

16・ 『モーパッサン短編集』 
ラジオで樫村春子の「朗読の時間」で「首飾り」を聞き、ラストの残酷さに動かされ、書店で探した。
モーパッサンは長編・短編問わず、ほとんどの作品を読んだが、中学一年でモーパッサンに溺れるって・・・


17・ TV 「花の生涯」 
大河ドラマの第一回作品。井伊直弼 = 尾上松禄 長野主膳 = 佐田啓二 村山たか女 = 淡島千景
村山たか女が偽装結婚した男(西村晃)が、用済みとなり捕えられ籐丸かごで運ばれるシーン。男は篭目ごしに、たか女の手をつかんで噛む。
息子(田村正和)は涙しながら、我が父の額を小刀の柄で突く。嫉妬と逆上に狂う哀れさが印象に残った。・・・しかし、ヤな子どもだね。我ながら。

18・ TV 「夢で逢いましょう」
日本初の上質な音楽バラエティだった。
中村八大。永六輔。坂本九。坂本スミ子。梓みちよ。デゥーク・エイセスなどなど懐かしい。



★高校時代

19・ 『静かなるドン』   ショーロホフ
小生意気な文学少女だった。当然、イギリス・フランス・ロシアの文学などを読んだが、たぶん、その中で一番長かった本。


20・ 映画 「アラビアのロレンス」
いわゆるダブルデートで、(といっても、こっちは刺身のツマのカップル)見た映画。
わたしの相手に組まれた男が、すでに見ていて、いちいち説明するのがうざったかった。


21・ 映画 「千里馬」  
これをみての座談録を学校新聞にのせる、という企画で見た北朝鮮プロパガンダ映画。
どこかから指令がきていたのだろうか・・・しかし、どの生徒も、工業の遅れと不自然な笑顔に隠されたものを感じ。


22・ TV 「ケネディ暗殺宇宙中継」 
ショッキングだった。翌日は部活の試合そっちのけで話題に。

23・ TV 「ひょっこりひょうたん島」 井上ひさし・山元護久=作 
学校から帰ってこれを見るのが楽しみだった。
♪ひょっこりひょーたんじーまー

24・ TV 「プリズナーNo6」
最終回を見逃し、長年胸につかえていたが、風太さんのおかげでDVDを見ることができた。
こういう、社会・政治・洗脳・思想・・・といったものが根底にある作品が好きだったのだとあらためて感じた。


25・ 『紀ノ川』  有吉佐和子 
紀州に住む家族三代の物語。
これを読んで、(うちの家族もそうとう変人ぞろいなので)わたしも作家になる!と母親に宣言した記憶がある。
なんという錯覚! 幻想・・・



★短大時代

26・ 『砂の上の植物群』  吉行淳之介
27・ 『性的人間』  大江健三郎
こういう文学作品を読むと、なんだか高等な人間になったような気がして・・・


28・ 『やっぱりおおかみ』   佐々木マキ 作・絵 福音館
長姉の家には、小さな子どもたちがいて「こどものとも」をとっていた。
この哲学的シュールさにノックダウン。我が家でも子どもが生まれて早い時期から「こどものとも」を定期購読した。
やはり、うちの子も、こういう系統が好きだった。



★結婚後
 
29・ TV 「あさま山荘事件中継」 
中継が始まってから、風邪引きの子どもを連れて行った医院で見、家に帰ってからもずーーーと見ていた。
わたしはノンポリだったし、 まして当時は子育て真っ最中だったが、あの時代の中にいた一人としてショッキングな映像だった。
このあと明るみにでた 内ゲバ事件報道にも慄然とした。
同級生の中には、学生運動に走って逮捕された者、消息不明になった者もいたのだから。

30・ 『岸辺のアルバム』  山田太一
ホームドラマ仕立ての中に家庭の崩壊を描いてみせたのは、これが最初だったのではないだろうか。
家族の象徴に「アルバム」を選んだのが、痛かった。 新聞の連載で読んで、そのあとテレビドラマも毎回欠かさず見た。


31・ 『鬼龍院花子の生涯』  宮尾登美子 文藝春秋
書店に行くことさえままならぬ子育て時代、友人も情報もなく、新聞の広告だけを頼りに書店に注文して読んだ。
映画の夏目雅子はきれいだった。 ・・・宮尾は数冊で卒業したが。


32・ 『洟をたらした神』  吉野せい  弥生書房
開拓地に生きる百姓ばっぱの作品集だが、その練り上げた清冽な文章。圧倒的な存在感に打たれた。
10年おきくらいに読み返しては、自分の自堕落さを恥じ背筋を伸ばしている。



★子どもを通して児童書に目覚め 

 ↑の「こどものとも」から親子そろってのお気に入りは
33・ 『あな』  谷川俊太郎 福音館
ひろしはあなをほりはじめた。・・ただただ、ほって、ほりおわると、また埋める。
大人から見れば目的のない行動。それだけで満足する子どもの精神世界。


34・ 『ばばばあちゃん』シリーズ   さとうわきこ 作・絵  福音館
やたら元気でとんでもないことをやらかすばばばあちゃんに、後の自分の姿を見たのか・・・


35・ 『ロッタちゃんの自転車』  リンドグレーン  やまむろしずか訳 偕成社
児童書についてなにも知らなかったころ、たまたま買ったのがこれ。
幼児期の子どもの心理を生き生きと描く作家「リンドグレーン」を知り、以降、子どもと一緒にむさぼるように読む。


36・ 『やかまし村』シリーズ リンドグレーン 大塚勇三訳  岩波書店 
なかでもこのシリーズが一番のお気に入り。


37・ 『点子ちゃんとアントン』
38・ 『エーミールと探偵たち』
   ケストナー  高橋健二訳  岩波書店 
ケストナーも何冊か読んだ。
岩波書店の大型本は、けっこうな値段だったので、誕生日・クリスマスなど特別のときのプレゼントだったが、
大勢子どもがいるおかげでつぎつぎ買うことに・・・


39・ 『麦と王様』
40・ 『年とったばあやのお話かご』
  ファージョン 石井桃子訳  岩波書店
ほんとにばあやの寝物語みたい、ストーリー性があるんだか、ないんだか、でもここちよい世界。
中でも、珍しく?ストーリー性のある作品で、タイトル忘れ・・人形を巡る少女と教師の時間を越えた物語は大好き。


41・ 『マドレーヌ』シリーズ。  ベーメルマンス 瀬田貞二訳  福音館
いかにもフランスエスプリって感じの洒落た絵本。わたしも子どもたちもお気に入り。
よく遊びに来ていた近所の子が、この本の影響でフランスに憧れ、留学したそうな。うちの子は・・・


42・ 『ババールの子どもたち』 ジャン・ド・ブリュノフ 矢川澄子訳  評論社  
ババールシリーズは数冊しか持ってないのだが、この本は読むたびに涙腺がゆるんで困った。


43・ 『だれもしらない小さな国』  さとうさとる  岩波少年文庫
日本版土俗ファンタジーの嚆矢。だろう。
今読むと表現に古さを感じないでもないが、コロボックルたちが魅力的だった。


44・ 『トムは真夜中の庭で』  フィリッパ・ピアス 高杉一郎訳  岩波少年文庫
息子が2週間ほど入院したときお見舞いに買った本。
児童書で、タイムスリップで少年と老女の人生をクロスさせていることに驚き。 かなり影響された。


45・ 『ゲド戦記』  ル・グィン 清水真砂子訳  岩波書店
3部まで一気に(というのはオーバー)読んだ。
児童文学へ足をふみいれたころだったから 深層心理の本などもあわせて読みふけった。
第4部が出ると聞いたときは、ちょっと驚き。 第5部は手元にあって、未読・・


46・ 『指輪物語』  J・R・R・トールキン 瀬田貞二訳  評論社
児童文学をやるなら、「ゲド」と「ナルニア」と「指輪物語」は必読ってんで、必死コイて読んだ。
長かった〜 もう二度と読み返すことはないと思っていたが映画化のあおりで再読。
こんなに面白い本だったのか〜 すいすい読めたが、読書力がアップしたせいか、映画を見たおかげか・・・びみょー


47・ 『ザ・ギバー』  ロイス・ローリー 掛川恭子訳 講談社
これは、図書館の新刊コーナーで見つけたとき、本がわたしを呼んでいる、と感じた本。
わたしがとても関心をいだいているテーマなので、こういうふうに表現できるのかと衝撃的だった。



★大人の本だって読んでいる 

48・ 『悪童日記 3部作』  アゴタ・クリストフ 堀茂樹訳 早川書房
新聞の新刊紹介欄で記事を見たとき、ビビッと感じた。
過酷な現実と虚構の世界をこう表現するのかと衝撃的だった。乾いた、あくまで乾いた世界がよかった。


49・ 『百年の孤独』  ガルシア・マルケス 鼓直訳 新潮社
壮大な虚構の世界。乾いたホラ話というべきか。
日本的せせこましい世界感を打ち破られる爽快さを味わった。


50・ 『A PLACE CALLED HIROSHIMA 』 文= BETTY・JEAN・LIFTON 写真= EIKOH・HOSOE  講談社
広島関係の本は、読むのにいろいろな意味で辛かったが、これは 心から素直に感動した本。
英語の本を読みながら涙するのも初めてだった。




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