倉橋由美子
『あたりまえのこと』朝日新聞社 2001
前半は1977〜1979に「波」に連載した文学論。
通俗的な小説や自己撞着的私小説など、ばったばったと切り倒している。
後半は小説を楽しむための入門。指標。
『パルタイ』文芸春秋社 1960
処女作品集
「パルタイ」「非人」「貝のなか」「蛇」「密告」の5篇からなる処女作品集。
「パルタイ」「非人」のあたりは文章に固さがあるが、以後の作品は、猥雑で技巧的で形而上学的で・・・
フェリーニの映画を見るようなある種映像的で、面白かった。
『夢の浮橋』中央公論社 1971
桂子と耕一の結婚を両方の親が反対する理由は・・・川端康成を模した美文、旧かな遣い、茶事、謡、大学生、教授、
選民意識ふんぷんたる設定の中で錦のようにあやなすのは親子二代にわたるswappingの世界。
『よもつひらさか往還』講談社 2002
サントリーの季刊CM誌連載短編。不思議なカクテルで見るは和漢の古典や能狂言を下敷きにした極上の酔生夢。
あの世とこの世を行きつ戻りつ遊ぶは楽し一夜の夢。あやかしの世界を視覚的に表現する技術はさすが。