リマの夜

ところで、ペルーの地図は、ここです。

 


*聖バレンタインデー*

早朝、高山の地クスコから西に飛び、海辺の町、リマに降りる。
適度な気圧と適度な湿度が、心地よい。
海から届く潮風も、汐の匂いも懐かしい。ああ、生き返った。
リマには泊まらない。ホテルで一休みし、夜中の飛行機に乗ることになっている。
シャワーを浴び、スーツケースの中身を詰め替える。
ホテルは、ビーチサイド、それも、かなりの崖の上に建っている。
道のむこうには、海のほうにむけてひろがるショッピングアーケードがあり、子供が遊ぶ遊具などもあり、大勢の人で賑わっている。
 

 

夕方に近づくにつれ、人出がどんどん増えてくる。

夏休みだからかな、夕日を見に来たのかな。それにしても、夕日を見る以外に娯楽はないのか。などと思いながら見ている。

 

やがて空港行きのバスに乗り込むころには、道は車であふれ、歩道には露店がならび、店をいう店、小路という小路、カップルや家族連れであふれかえっている。
なんだ、こりゃ?!と思ったら、今日は2月14日、聖バレンタインデーの祝祭日だったのだ。
うーん。これぞ、正しき聖バレンタインデー。バレンタインデーはチョコレートを配る日ではないのだよ。


*空港で*

クスコのホテルにはコカ茶のティーバッグがあり、食事時も普通に供されていた。
飲んでみたが、特別どうということのないハーブティーだった。
添乗員が、
「部屋にあるティーバッグは、絶対! 持ち帰らないでください。 スーツケースに入っているだけで、検査犬がかぎ分け、全員が足止めになります」
と固く警告していた。
また、通常、アメリカの航空会社を使う場合、スーツケースに鍵はかけない。
ランダムで検査をする際、鍵がかかっていると、バールでこじあけられるから。
しかし、今回は、鍵をかけてくださいという。
その理由は、ペルー出国審査で、いやというほどわかった。
「あなたは、ペルー滞在中、だれかから荷物を預かりましたか?」
「あなたは、空港に入ってから、荷物から目を離しましたか? あるいは、おきっぱなしにして離れた瞬間がありますか?」
「スーツケースの中に、カメラ、ビデオ、その他、機械類が入っていますか?」などなど、事細かな質問が、英語通訳を交えて、なされた。
さらに、パスポートチェックで、仕事がら何度もタイに行っている人は、スーツケースをあけさせられ、なにやかや質問ぜめにあっていた。
(ノースコリアに行ったことがあるか、と質問されたらしい)
さらにさらに、搭乗ゲートに入ってからも、ランダムに名前を呼ばれた人が(一行には、あたらなかったが)、手荷物検査を受けさせられていた。
ランダムと思うのは、どう見ても、あやしそうには見えない人だったから。
健康のためコカの葉っぱを噛んでいた文化が、いまや、コカインの密売を防ぐため、プライバシーもへったくれもない検査をする文化に変容してしまった、その象徴的なできごとだった。

さらに、リマ空港で興味深かったのは、深夜の便にもかかわらず、空港内はすごい人出、どっちを見ても人・人・人だったこと。
しかし、その人だかりも、出国ゲートを入ると、がらっと少なくなる。
つまり、彼らは海外へ出稼ぎに行く同胞を見送るために来ていたらしいのだ。
家族とすごすはずの聖バレンタインデーに・・・そう思うと、ちょっと、胸にせまるものがある。
(ま、中には、ヤクの密売人もいたかもしれないが・・・・)



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